マルチーズ 外飼いは危険?室内飼育のすすめ

マルチーズ外飼いを検討している方は、マルチーズは外で飼える?やマルチーズ社交性ある?といった疑問を抱きやすいでしょう。加えてマルチーズは分離不安になりやすい?やマルチーズは性格がきつい?マルチーズの欠点は何?といった点も気になるはずです。
本記事ではこれらの問いに沿って、マルチーズ外飼いのリスクと室内飼育のメリットを具体的に解説します。読み終えるころには安全で快適な飼育方法の判断がしやすくなります。
・マルチーズ外飼いのリスクと理由
・体温管理や衛生面で必要な配慮
・性格や社会化のポイントと対策
・室内飼育での具体的な工夫と注意点

マルチーズ 外飼いが適さない理由とは
・マルチーズは外で飼える?注意点と実情
・体温調節が苦手で外飼いは危険
・夏の熱中症と冬の低体温症リスク
・真っ白な被毛と衛生管理の難しさ
・マルチーズ 社交性ある?性格の特徴
マルチーズは外で飼える?注意点と実情
マルチーズは小型犬の中でも特に愛玩犬としての歴史が長く、人間と生活空間を共有することを前提に改良されてきました。そのため、外飼いに適した身体的特徴を持ち合わせていません。被毛はシングルコートで保温力が低く、また体重も2〜3kg前後と小柄なため、外気温の変化を受けやすいのです。
屋外では直射日光やアスファルトの輻射熱、また冬場には冷え込みが犬の体温に大きく影響します。さらに日本は四季の変化がはっきりしており、夏は高温多湿、冬は乾燥と寒冷が重なるため、室内犬種のマルチーズには大きな負担となります。こうした環境下で長時間を過ごすと、熱中症や低体温症、呼吸器や循環器への負担といった健康リスクが避けられません。
外飼いをどうしても検討する場合には、冷暖房設備を備えた犬舎や全天候型のシェルターが不可欠ですが、それでも人間が快適に管理できる室内環境には及びません。したがって、マルチーズの健康維持と生活の質を守る観点からは、室内での飼育が圧倒的に望ましいと考えられます。
体温調節が苦手で外飼いは危険
マルチーズが外飼いに適さない最も大きな理由は、体温調節の弱さです。シングルコートは見た目には美しく、抜け毛が少ないというメリットがありますが、被毛の構造が薄いため断熱効果が低く、寒さに弱いという特徴があります。また夏場には逆に体内の熱を逃がしにくく、熱がこもりやすい傾向も見られます。
特に夏の高温多湿は大きなリスク要因です。環境省の報告によると、犬の熱中症は気温25℃を超えると発生リスクが急激に高まり、湿度が70%を超えると危険度がさらに増すとされています(出典:環境省「ペットの熱中症予防」https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/heatstroke.html
屋外では気温や湿度を安定して管理することができないため、飼い主が注意を払っても限界があります。
冬場においても同様に危険が伴います。マルチーズは体脂肪率が低いため寒冷環境で体温を維持するのが難しく、体が小さい分だけ体熱を逃しやすいのです。その結果、低体温症や免疫力の低下を引き起こしやすく、病気のリスクが高まります。
さらに、外飼いを続けると日々の体調変化を見逃しやすくなる点も問題です。食欲の減退や咳、下痢など初期症状に気づかないまま放置されるケースがあり、症状が重くなって初めて発見されることがあります。これらを踏まえると、外飼いはマルチーズにとって身体的にも環境的にも危険性が高いと言えます。
温度や湿度を管理することは、マルチーズの健康を維持するために不可欠です。以下は、一般的に快適とされる目安の数値です。
温度・湿度の目安(参考)
季節 | 室温目安 | 湿度 |
---|---|---|
夏 | 23〜28℃ | 約50%前後 |
冬 | 15〜20℃程度を目安に保温が必要 | 乾燥しすぎないよう加湿も検討 |
注:上記はあくまで目安であり、犬の年齢、体調、既往症によって適切な環境は変わります。日々の呼吸の仕方や食欲、行動量を観察しながら、必要に応じて調整することが大切です。
夏の熱中症と冬の低体温症リスク
マルチーズのような小型犬は体重が軽く体表面積が広いため、外気温の影響を大きく受けやすい特徴があります。特に夏季はアスファルトやコンクリートの路面温度が気温以上に上昇するため、気温が30℃程度でも地表付近では40〜60℃に達することがあります。犬は地面に近い位置で生活するため、この温度差による影響を直接受け、わずかな時間でも肉球の火傷や体温の急上昇につながる危険があります。
直射日光下での運動や長時間の滞在は、熱中症の大きな要因です。犬は人間のように全身から汗をかいて体温を下げることができず、主に口呼吸によるパンティングで熱を放出します。
しかし高温多湿の日本の夏では、この仕組みだけでは十分な放熱ができず、急激に体温が上昇してしまいます。環境省も犬の熱中症は毎年報告されており、室温管理だけでなく散歩時間の見直しや冷却対策が必要とされています(出典:環境省「ペットの熱中症予防」https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/heatstroke.html)。
一方、冬季には低体温症のリスクがあります。マルチーズは被毛がシングルコートであるため、寒冷地に適応するダブルコート犬種のような断熱効果を持ちません。夜間や早朝の外気温が5℃を下回ると、体温維持が難しくなり、震えや倦怠感、最悪の場合は命に関わる低体温症を引き起こす恐れがあります。特に風が強い日や雨雪にさらされる状況では、体温低下が加速しやすく注意が必要です。
したがって、マルチーズを外飼いすることは季節ごとに深刻なリスクを伴います。屋外環境に依存せず、季節に応じた行動の調整、例えば夏は早朝や夜間の散歩、冬は室内での保温や適切な防寒具の活用が不可欠です。
真っ白な被毛と衛生管理の難しさ
マルチーズの大きな魅力のひとつは、純白で絹のような美しい被毛です。しかしその美しさは反面、汚れが目立ちやすく、清潔さを維持するためには丁寧なケアが欠かせません。屋外で生活させると、泥や土埃、排泄物だけでなく、花粉や雑草の種、紫外線による被毛の黄ばみなど、多くの汚れやトラブル要因にさらされます。
白い被毛は色素が少ないため、皮膚への紫外線ダメージも強く、皮膚炎や色素沈着のリスクを高めることがあります。また、涙やけによる目の周囲の変色も白い毛では特に目立ちやすく、外飼いではその頻度が増す傾向にあります。涙やけは放置すると細菌繁殖の原因となり、皮膚疾患につながることもあるため、日常的なケアが不可欠です。
衛生管理には定期的なブラッシングや週単位でのシャンプー、または専用のクリーナーによる部分ケアが必要です。屋外で生活している場合はこの頻度がさらに高まり、結果的に飼い主の負担が大きくなる点は見逃せません。加えて、外飼いでは毛に付着した汚れを介してノミやダニ、寄生虫のリスクが高まるため、定期的な予防薬の投与も必須となります。
要するに、マルチーズの被毛の美しさを保ち、皮膚や健康を守るには、屋内環境での清潔管理が理想的であり、外飼いではその維持が非常に難しいと言えます。
マルチーズ 社交性ある?性格の特徴
マルチーズは古くから愛玩犬として人と共に暮らしてきた歴史を持ち、人への愛着や社交性が高い傾向があります。飼い主や家族と一緒に過ごす時間を好み、抱っこやスキンシップを喜ぶ性格の個体が多いことが特徴です。このため、室内で人と密接に暮らす環境と非常に相性が良いと考えられます。
一方で、環境や育て方によって性格に違いが出ることもあります。適切な社会化が不十分な場合や、刺激が少ない環境で育った場合には、見知らぬ人や音に対して過敏になりやすく、警戒心が強まって無駄吠えにつながることがあります。また、環境の変化や孤独感に対して敏感であり、飼い主と長時間離れることにストレスを感じやすい点も挙げられます。
屋外で孤立して暮らす場合、こうした性格的特徴は大きな負担となり得ます。特に、常に人の存在を感じられる室内生活と異なり、外飼いでは刺激が多い一方で飼い主との接触が少なくなり、精神的なストレスが増す可能性があります。その結果、分離不安や過度な警戒心、吠え癖の悪化など行動上の問題につながる恐れがあります。
マルチーズの性格を安定させ、社交性を健全に育てるためには、日々のスキンシップや遊び、適度な社会化の機会を与えることが大切です。屋外のみで生活させることは、こうした性格的特徴に合わず、むしろ精神的な健康を損なう要因となると言えるでしょう。
室内飼育が安心なマルチーズ 外飼
マルチーズの身体的特徴や性格的傾向を総合的に考えると、外飼いは多くのリスクを伴います。極端な気温変化や衛生管理の難しさ、そして精神的なストレスの高さなど、複数の観点から見ても外飼いより室内飼いが圧倒的に適しています。
室内であれば冷暖房や湿度管理を通じて快適な環境を維持できるほか、飼い主との接触時間を増やすことで精神的な安心感を与えることができます。また、体調変化に気づきやすく、病気やトラブルの早期発見・対処にもつながります。
特にマルチーズは長寿犬種であり、平均寿命は12〜15歳とされています。長く健やかに暮らしてもらうためには、日常的なケアがしやすく、清潔さと安全を確保できる室内飼育が望ましいと考えられます。

室内飼育が安心なマルチーズ 外飼いとの違い
・マルチーズは分離不安になりやすい?性格傾向
・マルチーズは性格がきつい?誤解されやすい理由
・マルチーズの欠点は何?飼い主の負担点
・室内飼いで快適に暮らすための工夫
・まとめとしてのマルチーズ 外飼いに関する結論
マルチーズは分離不安になりやすい?性格傾向
マルチーズは愛玩犬として長い歴史を持ち、人と密接に暮らすことを前提に改良されてきた犬種です。そのため、飼い主との絆が非常に強く、「常に一緒にいたい」という欲求が行動面にも表れやすい特徴があります。この特性が過度に強まると、分離不安(Separation Anxiety)と呼ばれる状態を引き起こしやすくなります。
分離不安になると、飼い主が留守にしている間に落ち着きを失い、過度な鳴き声、家具や物の破壊、排泄の失敗などの行動が見られることがあります。米国動物行動学会による報告でも、分離不安は小型犬種に多く発生する問題の一つとされており、マルチーズも例外ではありません。
この傾向は、長時間の単独放置や過度な甘やかしが重なることで悪化しやすいとされています。特に子犬期から常に抱っこや膝の上で過ごさせる習慣がある場合、自立する練習の機会が奪われ、ひとりで過ごすことに強い不安を感じるようになります。
対策としては、以下の方法が効果的です。
- 段階的な留守番練習:最初は数分から始め、少しずつ時間を延ばしていく。
- クレートトレーニング:安心できる「自分の場所」を用意し、留守番時の拠点にする。
- 知育玩具やフードトイの活用:留守中の時間を楽しいものにし、不安の気を紛らわせる。
これらを継続的に行うことで、分離不安のリスクを軽減しやすくなります。重要なのは、犬が「ひとりの時間=必ずしも不安なものではない」と学べるように導いてあげることです。
マルチーズは性格がきつい?誤解されやすい理由
マルチーズに「気が強い」「性格がきつい」といった印象を持つ人もいますが、これは必ずしも犬種固有の本質ではありません。実際には、小型犬特有の自己防衛本能や、飼育環境・育て方によって形成された行動が影響している場合が多いのです。
マルチーズは体が小さいため、自分を守るために警戒心を強めやすく、見知らぬ人や物音に対して吠えたり、威嚇的に振る舞うことがあります。こうした行動が「気が強い」と誤解される要因のひとつです。しかし、この行動は適切な社会化としつけによって大きく改善できます。
社会化とは、子犬期からさまざまな人・音・環境に慣れさせ、恐怖や不安を減らすプロセスです。この経験が不足していると、些細な刺激にも過敏に反応し、防御的な行動に出やすくなります。逆に、肯定的な体験を積むことで、落ち着きのある性格へと育てることが可能です。
また、しつけの一貫性も重要です。具体的には:
- 要求吠えに安易に応じない:吠えることで願いが叶うと学習させない。
- 好ましい行動を強化する:静かにできたとき、落ち着いて座れたときに褒めてご褒美を与える。
- 家族全員でルールを統一する:しつけの方針がバラバラだと混乱し、問題行動が強まる。
こうした取り組みを根気強く続けることで、「気が強い」と思われがちな行動は次第に改善し、むしろ人懐こく落ち着いた家族犬としての本来の魅力が発揮されます。
マルチーズの性格は、生まれ持ったものだけでなく、飼い主の接し方次第で大きく変化することを理解しておくことが大切です。
マルチーズの欠点は何?飼い主の負担点
マルチーズは可憐で愛らしい外見を持ちながらも、日々の飼育において飼い主に一定の負担をかける要素が存在します。特に大きな課題となるのは、被毛管理・健康管理・行動面でのケアの3点です。
まず被毛に関して、マルチーズはシングルコートで抜け毛が少ない反面、毛が伸び続ける犬種のため毎日のブラッシングが欠かせません。放置すれば毛玉やもつれが皮膚を圧迫し、皮膚炎やかゆみの原因になります。また、月に1回程度のトリミングが必要とされ、施術料の目安は1回あたり5,000〜8,000円前後となり、年間で数万円規模の費用が発生します。
次に健康面では、小型犬特有の**膝蓋骨脱臼(パテラ)**が発症しやすいとされており、成長段階から床材の工夫や体重管理が重要です。さらに「涙やけ」と呼ばれる目の下の赤茶色の汚れや、アレルギーによる皮膚トラブルにも注意が必要で、これらは定期的な洗浄や食事管理を伴うため手間がかかります。
また、マルチーズは人に強い愛着を示すため、分離不安や無駄吠えのリスクも無視できません。留守番が多い家庭では精神的なケアに特に配慮が必要で、トレーニングや環境づくりに時間を割くことが求められます。
このように、マルチーズの魅力を最大限引き出すには、日常的なケアと長期的な健康管理に積極的に取り組む姿勢が不可欠です。
室内飼育で快適に暮らすための工夫
マルチーズを室内で飼う際には、犬が快適かつ健康的に過ごせるよう、いくつかの生活環境の工夫が求められます。
・適切な室温と湿度を保つことが基本
マルチーズは体温調節が得意ではないため、夏場は冷房で23〜28℃、冬場は15〜20℃程度を目安に保温することが推奨されます。湿度は50%前後が理想で、乾燥が強い季節には加湿器の利用も有効です。こうした温湿度の管理は熱中症や低体温症の予防に直結します。
・毎日のブラッシングと目周りの清掃を習慣化すること
被毛を清潔に保ち毛玉を防ぐだけでなく、皮膚の異常や外傷の早期発見にもつながります。目周りのケアは涙やけ予防として特に重要です。
・滑りにくい床材や段差の解消で関節への負担を減らすこと
フローリングは滑りやすいため、カーペットや滑り止めマットを敷くことで関節や腰への負担を軽減できます。特に膝蓋骨脱臼のリスクが高い小型犬にとっては、こうした予防が重要です。
さらに、快適な室内飼育を実現するためには以下のような工夫も役立ちます。
- 散歩は短時間を複数回に分けて行い、無理なく運動不足を解消する。
- クレートに慣れさせ、安心できる自分の場所を作ることで留守番のストレスを減らす。
- 夜間の温度変化に備え、毛布やペット用ベッドで保温を工夫する。
こうした生活環境の整備は、マルチーズの心身の健康を守るだけでなく、飼い主にとっても安心して共生できる基盤となります。長期的には病気や怪我の予防につながるため、結果として医療費や介護の負担を軽減する効果も期待できます。
(出典:環境省「飼い主のためのペットフード・飼養管理ガイドライン」https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/pamph/h29_pamph.html
まとめとしてのマルチーズ 外飼いに関する結論
・マルチーズは外飼いより室内飼育で健康管理が行いやすいため毎日の様子観察や環境調整が容易です
・夏の暑さや冬の寒さに弱いため室内では温度と湿度を適切に保つことが望まれます家庭での配慮が必要です
・白い被毛は汚れが目立ちやすくこまめなブラッシングと洗浄で清潔を保つ必要があります
・小型で華奢な体は関節トラブルに注意が必要で床対策や抱っこの工夫が有効です家庭での配慮が必要です
・甘えん坊な性格ゆえに分離不安に注意が必要で一人時間に慣らす訓練が大切です家庭での配慮が必要です
・社会化としつけを子犬期から行うことで無駄吠えや攻撃的な行動を抑制できます家庭での配慮が必要です
・外飼いでは熱中症や低体温症のリスクが高まるため屋外での長時間飼育は推奨されません
・短時間の散歩を複数回に分けて行うことで運動負荷を抑えつつ刺激を与えられます家庭での配慮が必要です
・被毛の絡まりや涙やけは定期的な手入れで悪化を防ぎ皮膚炎予防にもつながります家庭での配慮が必要です
・搬送や抱っこ時の配慮により膝蓋骨脱臼など関節症状のリスクを低減できます家庭での配慮が必要です
・来客や物音への吠えには一貫性のある対応が効果的で社会化で改善が期待できます家庭での配慮が必要です
・過度な抱っこや甘やかしは自立心を阻害するためメリハリある接し方が必要です家庭での配慮が必要です
・室内飼育は日常観察からの早期発見に有利で病気の治療開始が早くなります家庭での配慮が必要です
・安全対策として床に滑り止めや障害物対策を行うことが日常生活の安心に繋がります家庭での配慮が必要です
・快適な室温湿度の維持と適度な運動がマルチーズの生活の質を高める要素になります家庭での配慮が必要です